大判例

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大阪地方裁判所 昭和56年(ワ)3519号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一<証拠>を総合すると、被告中尾は、昭和五四年一〇月二七日午前一〇時ころ、高槻市高槻町八番二八号高槻国鉄駅前再開発改造事業工事現場の高さ約四メートル、幅約六〇センチメートルの足場上において、被告会社の従業員である原告ほか二名と共に雨樋吊上作業に従事中、路上から足場上に吊上げられた雨樋にかけられたロープをはずしていた原告に対し、そのままロープをはずすと樋が下りてきて危険だと思い、ロープをはずす前に樋を足場上に少し預ける形とした方がよいと考えて、「どけ」といつたところ、原告が「一寸待つてくれ」といつてそのままロープをはずす作業を続け、直ちに被告中尾の要求に応じようとしなかつたのに立腹し、原告に、「何んで人のいうことを聞かんのや、殴り落してやる」とどなり、手袋をはめたままの両手拳で原告の顔面、胸部、脇腹等を数回殴りつけ、原告に顔面挫傷、頭部外傷、左前胸部挫傷、第六、七肋骨皹裂骨折、左肘挫傷等の傷害を負わせたことが認められ、右認定を左右できる証拠はない。

右事実によると、被告中尾は、不法行為者として右行為によつて原告に生じた損害を賠償すべき責任があるといわなければならない。

二<証拠>によると、被告会社は、右事件当時被告中尾を雇用していたもので、被告中尾は、被告会社の指示により、その工事現場において作業に従事中右行為に及んだものであることが認められる。

右事実に前記一の事実を合わせ考えると、被告中尾の右行為は被告会社の工事現場において、その指示による作業に従事中に、被告会社従業員として共同して作業をしていた原告との具体的な作業手順に関する意見の対立を直接の原因としてなされたものであるから、被告会社の事業の執行につきなされたものと認めるのが相当であり、したがつて、被告会社は、被告中尾の使用者として、原告に対し、右行為によつて生じた損害を賠償すべき責任があるというべきである。  (山本矩夫)

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